終活コラム第36回『遺言書の書き方について』

今回の終活コラムでは、弊社の終活サポートでよくご相談を受ける遺言書の書き方についてです。

遺言書を作成する際の注意点を5つ紹介します。遺言書は、最後の意思表示としてとても重要な書類であるため、正確かつ適切に作成することが重要になります。

1.必要な要件・表現方法を守る

自筆証書遺言を作成する場合は、特に書き方に注意が必要です。遺言書の形式は、偽造や改ざんを防ぐために法律で厳密に決められています。そのため、法律に違反していると無効になるケースがあります。
たとえば、日付を“令和〇〇年三月吉日”と書くと無効になります。“三月吉日”という表現では日付が特定できないからです。

また、訂正が正しい方法に沿っていなかった場合は、元の文言が有効になります。作成中に訂正が必要になった場合は、新たに書き直すほうが賢明です。

2.相続人を明確化する

自分が亡くなった場合、誰が相続人になるのかを明確化しなければなりません。死亡して相続が発生するまでは、相続人ではなく「推定相続人」が正式な呼称です。もし推定相続人に漏れがあった場合は遺言書が無効になるケースもあります。

3.特別受益と遺留分を考慮する

「特別受益」とは、生前贈与などによって被相続人から生前に受けた利益を指します。特別受益を受けた場合、相続開始の際にその分を差し引いて相続分が決定されます。

「遺留分」とは、遺言の定めによらず相続人が最低限受け取ることのできる一定割合の財産です。そのため、配偶者や子供がいるのに「全額を慈善団体に寄付する」と遺言書に記載しても無効になります。

遺留分は誰が法定相続人になるかによって変動します。たとえば、配偶者のみが相続人の場合の遺留分は1/2、配偶者と子供が相続人の場合は配偶者1/4、子供が1/4です。

遺留分を侵害された相続人は、その分の財産を受けた人に対して遺留分侵害額を請求できます。

4.遺言書の更新・保管に留意する

遺言書を作成して年月が経過すると、財産の内容や相続人が変動する場合があります。住居を建て替えたり、銀行口座を解約した場合は、遺言書の書き換えをしなければならないケースもあります。

また、遺産の分配方法について考えが変わることもあるため、一度作成して終わりではなく定期的な見直しを検討しましょう。

自筆証書遺言の場合は、保管方法も重要です。せっかく作成しても死後発見されないことや、偽造、紛失などの可能性もあります。自筆証書遺言は費用がかからずいつでも書き直せるのがメリットですが、保管方法が難しいという問題があります。

5.遺言執行者を指定する

「遺言執行者」とは、財産が遺言書どおりに分配されるように必要な手続きをする人です。財産を調査することや、預貯金口座の解約、相続登記をおこなう権限があります。

遺言執行者が必要なケースは、推定相続人を廃除する場合や、生前に認知できなかった子を認知する場合などです。
「推定相続人の廃除」とは、相続する権利を有する人間から虐待を受けている場合などにその人間の相続権を剝奪することです。婚外子がいても生前は家族に秘密にしていて死後に遺言で認知する場合、その手続きは遺言執行者がおこないます。

いかがでしたでしょうか?遺言書を作成される際の是非参考にしていただければ幸いです。

終活コラム第36回はここまでです。もっと詳しいことを知りたい方や、
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