今回の終活コラムは、口腔疾患と健康の関連性についてのお話です。
近年、歯周病等の口腔疾患と、全身疾患との関連性が徐々に明らかになる中、口腔ケアを従来の治療アプローチから、口腔および全身疾患の予防・未病アプローチへと捉え直す動きが活発になってきています。
口腔状態と全身疾患の関連性に関する研究は年々蓄積されており、歯垢や唾液、舌苔等が主な口腔データとして取り扱われています。
特に歯周病は人類史上最も多い感染症とされているそうで、エビデンスレベルは異なるものの、動脈硬化、糖尿病、虚血性心疾患、リウマチ、認知症、早産・低体重児出産等との関連やメカニズムも報告されているそうです。
口腔ケアと健康の関連性として面白いデータを見つけました。
ある介護施設(定員69名)において、適切な口腔ケア介入を行ったところ、介護施設入居者の不要な入院日数が減少し施設滞在期間が増加、年間約4,250万円の医療費削減と1,200万円の介護施設収入増加につながったそうです。わが国で増大する医療費の抑制や介護施設の収益増加による介護者の処遇向上、労働環境の改善に寄与し得る結果として注目されたそうです。
上記の例を見ているとやはり、適切な口腔ケアをすることは、健康寿命の伸ばすうえで関連性おおいにありそうですし、予防医学の観点からも重要なケアであると感じられます。